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Q

自己破産をするともう社長になることはできないの?

質問 横浜市内で会社を経営している者ですが、会社には関係のない個人的な借金を抱えていて、もう自己破産するしかない状況です。
30歳のときに脱サラして、一緒の会社で働いていた志が一緒の仲間と今の会社を立ち上げました。創業当初はなかなか思うように業績が上がりませんでしたが、何とか凌いでいるうちに徐々に売上がアップしはじめて、その後は順調に業績を伸ばしています。
業績がアップする度に役員報酬を増やし、サラリーマン時代には考えられないような収入を得て、調子に乗って高級車やブランド品を購入したり、今まで行くことができなかった高級レストランや高級な飲み屋などに通い散財したりしているうちに、個人で多額の借金を抱えることになってしまいました。
借金のことで仕事にも集中できなくなり、このままでは会社に迷惑をかけてしまうので、一緒に会社を立ち上げた仲間に代表の座を譲って会社から退くことも考えています。
しかし、その判断が本当に正しいのか悩み、以前からいろいろなアドバイスをもらっている人に相談に行くと、そもそも自己破産をした者は社長にはなれないと言われました。さらに、自己破産をすると就けなくなる仕事もあるし、はく奪される資格もあると言われました。
私としては自己破産をして今の会社から退いても、再びチャンスを見出して会社を設立することも考えていたので、社長になれないということになるとこの先の希望がありません。
本当に自己破産をしたら社長になることはできないのでしょうか?そうだとしても、自己破産者が再チャレンジできる方法があれば教えて欲しいので、ご回答をどうぞよろしくお願いいたします。

yajirusi

A

自己破産者が長になることは可能です

自己破産をしたら社長になれないと思っている方は多いと思いますが、それは間違った情報です。自己破産者が社長になれないと思われているのには理由があり、それは2005年まで存在していた旧商法が関係しているようです。
旧商法では自己破産したことが取締役の欠格事由とされていて、実際に自己破産をすると社長を退かなければいけませんでした。その当時を知っている人たちが、今でも同じ規定があると思い込んでいることが、自己破産をすると社長になれないと思われている大きな要因となっていると考えられます。
しかし、旧商法に代わり新たに制定された会社法では、自己破産したことによる取締役の欠格事由から除かれています。したがって、自己破産をしても社長を退くことはなく、過去に自己破産をした者でももう一度その会社の代表取締役になることが可能なのです。もちろん、自己破産をした後に別の会社を設立して社長に就任することもできます。
自己破産をしても社長になることは可能ですが、自己破産により制限を受ける職業や資格は存在します。
自己破産をして事業を続けることができない職業には、貸金業者、質屋・古物商、生命保険募集人などといった他人の財産を扱う職業の他にも、建設業、風俗業、廃棄物処理業、調教師や騎手、旅行業務取扱管理者、警備員などがあります。
公務員は全てが制限されるわけではありませんが、都道府県公安委員会、公正取引委員会、教育委員会、公証人、人事院などの委員や委員長は制限の対象となっています。
商工会議所、金融商品取引業、信用金庫、日本銀行などの団体企業の役員は、職務を継続できなくなります。
その他にも、弁護士や司法書士、公認会計士、行政書士、宅地建物取引士、税理士などの多くの資格が制限を受けることになります。
このように、自己破産をすることにより制限を受ける職業や資格は数多くありますが、制限を受けるのは破産手続きの申立てから免責許可が決定するまでの期間に限られています。一般的にはその期間は3〜6ヶ月であり、その仕事や資格を一生失うわけではありません。
自己破産をした後で再び会社を設立することは可能ですが、現実的には自己破産者が会社を立ち上げることは簡単ではありません。
その大きな理由には、自己破産をするとブラックリストに載るため融資を受けることが難しくなり、会社を設立する資金や運転資金が用意できないことが挙げられます。融資だけではなくリース契約も締結できなくなり、クレジットカードも利用できないので、会社を運営することにさまざまな支障が出ることになります。
しかし、自己破産者でも会社を設立するための資金を得る方法があります。民間の金融機関からは難しいですが、公的融資を利用して開業する方法があります。
公的資金の一つに、日本政策金融公庫の「再挑戦支援資金」というものがあります。新たに開業する人、または開業後7年以内の人を対象とする融資制度ですが、過去に廃業した人が経営する法人でも利用可能です。
他にも、同じく日本政策金融公庫が実施している「新創業融資制度」などがあり、いずれも必ず融資を受けられるとは限りませんが、自己破産者が再チャレンジできる希望となっています。

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