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Q

自己破産をすると再び会社を経営できないの?

質問 横浜市内で小さな会社を経営している者ですが、新型コロナウイルス感染症の影響をまともに受けてしまい、これまで給付金などで何とか凌いできましたが、借金がかなり膨らみいつ倒産してもおかしくない状況です。
持ち家もあり亡き父から相続した不動産もあって、これらはすでに借入先の銀行の担保に入っていますが、銀行に事情を話して売却してその分を返済に充てたら借金をかなり減らすことができます。しかし、それでも安定した経営を継続していくためには十分ではありません。
このまま会社を存続させていくよりは、一度倒産という形をとって一からやり直した方がよいのではという考えが浮かび、妻にも会社の状況を詳しく説明すると、家をとられることになっても、そうした方がこの先に希望があるなら、私の好きなようにしてよいと言ってもらえました。
会社を倒産させるとなると自己破産を選択することになるのですが、その選択をした場合は再び自分で会社を経営することはできないのでしょうか?
もしできたとしても、自己破産者が新しい会社を立ち上げることは難しいと思うので、そのために弊害になることや、自己破産から復活を果たすための方法などを教えて欲しいので、良きアドバイスも含めたご回答お待ちしております。

yajirusi

A

自己破産しても会社経営することは可能です

結論からお伝えしますと、自己破産をしても再び会社を立ち上げ経営者になることは可能です。会社を倒産させて自己破産をする経営者は世の中には数えきれないほど存在し、その中にはもう二度と経営者にはなれないと勘違いしている方もおられるようですが、その考えは間違っています。
また、会社を倒産させてしまったことに後ろめたさを感じている経営者も多いようですが、そもそも法律上でも法人と個人は別の人格であり、業績が悪化して会社の債務を払いきれなくなったとしても、法人の代表者個人が責任を負われることは法律的にも定められていません。
今回の場合は個人資産を担保に入れているようなので、それを奪われてしまうことになりますが、そうでなければ会社が倒産しても経営者が所有する個人の財産をそのまま残すことができるようになっています。
会社が倒産して再び経営者になれないと思っている方が多く存在しているのは、2005年まで適用されていた旧商法が要因になっていることが予想できます。
それによると、自己破産は取締役の欠格事由と定められていて、旧商法の時代には自己破産した経営者は社長にはなれないというのが法律上のルールでした。
ただし、会社法が制定されたことから、取締役の欠格事由から自己破産は取り除かれ、今では法人の代表者や取締役にも就けることとなっています。実際に、多くの方が自己破産後に再び会社を立ち上げ自ら社長に就任しています。
このように、たとえ会社を倒産させて自己破産をした場合でも、経営者になることは法律で認められているわけですが、現実的には自己破産者が社長になるには高いハードルをクリアしなければいけません。
その大きな理由としては、融資を受けられないことが挙げられます。自己破産をするといわゆるブラックリストに載ってしまい、最低でも5〜7年程度の間は金融機関で融資を受けることが難しくなります。
自己破産者は信用情報に傷がついているため、オフィス用品をリースしたり、事業に要するローンを組んだり、法人のクレジットカードを作ることもできなくなります。さらに、保証会社との契約もできないことから、会社を運営するために必要な事務所を借りることも困難になってしまいます。
自己破産をして短期間で再び会社を立ち上げるには、起業に必要なお金を自己資金で賄うか、誰かからの協力を仰ぐ必要があります。ただし、自己破産をしても、妻などの家族や共同経営者を代表にすれば、金融機関からの融資を受けることは可能です。
最初は妻を代表にして、ある程度の期間が経過したら代表者を自分に変更して経営者に復帰している方も少なくありません。
ネット社会の現在では、ビジネスモデルをいろいろ工夫することでも、多額の資金を必要としないで起業することが可能となっています。昔からあるビジネスでも、顧問業やコンサルティング業などであれば、初期投資も少なく開業後も運転資金を最小限で抑えられます。
このビジネスは成功すると思わせられる事業計画を立てることでも、自己破産後の短期間での起業を現実にすることができます。金融機関からの融資を受けることはできなくても、継続的な収益を見込める事業計画を立て投資家を説得できれば、資金調達を可能にします。
また、融資を受けられない場合でも、出資を受けるという方法があります。投資家以外にも友人や親族などに出資してもらい、再起している方は大勢います。この場合も、事業計画の将来性を評価してもらう必要があります。

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