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債務整理は就職・転職活動にどのような影響を及ぼしますか?

質問 私はなぜかいろいろな人から相談を受ける機会が多く、どうせ頼られるなら何とかためになるアドバイスをして良い方向へ進んでもらいたいと思い、自分なりにいろいろなことを調べて勉強してきました。
最近では若い人と触れ合う機会も多く、先日は大学に通う学生さんから借金と就活に関する相談をされました。その学生さんは借金をしていて、返済が難しいので債務整理を考えているとのことでした。
親御さんに何とかしてもらえないの?と尋ねると、打診はしたけど親にも多額の借金があり、親にも債務整理の可能性があると言われました。
借金の相談をされたのは初めてだったので、日を改めてということで後日また相談にのることになったのですが、その学生さんが一番心配していたのは、債務整理が就職活動にどのような影響を及ぼすのかということでした。
親の債務整理が子どもの就職に及ぼす影響についても、併せてご回答いただけるとありがたいです。あと、社会人や無職の人などが転職する場合や、求職中に債務整理した場合などについての影響を、今後のためにも知っておきたいです。
yajirusi
A

基本的には債務整理が就職活動に悪影響を及ぼすことはありません

学生が就職活動する場合、債務整理したことが就職に不利に働くのでは?と心配になってもおかしくないと思います。しかし、基本的には債務整理が就職活動に悪影響を及ぼすようなことはありません。
これは、一般企業だけでなく公務員を目指すケースでも一緒です。
公務員には、要求された資格や素質が欠けているとみなされる「欠格事項」があります。前科がある場合は欠格事項に該当しますが、過去に自己破産などの債務整理をしたことは、欠格事項として規定されていません。
債務整理をするとブラックリストに載るから、それを知られて就職に不利になるのは?と考えてる方もいると思います。
ただし、たとえ就職先が金融機関であっても、金融機関の人間が信用調査以外の目的で個人情報を閲覧することは禁止されていますし、債務整理に関する情報を採用の選考基準とすることは法律で禁止されているので、過度な心配は不要です。
親が債務整理すると、子どもの就職に悪影響が及ぶのでは?と心配される方もいるかもしれませんが、親の債務整理が原因で、子どもの就職が不利になるということはありません。
そもそも、債務整理したことが周りに知られるのはまずないことですし、採用する企業側が親の信用調査まですることはほぼないと言えます。
ただし、本人や家族のSNSなどで自己破産したことをアップしてしまうと、そこから企業側に知られることもあるので、その点には注意した方がいいと思います。
すでに働いている社会人が、転職する際に債務整理したことが不利になるようはないのか?と心配になる方も少なくないと思います、こちらも、基本的には債務整理したかどうかで採否が決まることはありません。
そもそも、転職先の企業に提出する書類に債務整理が記載されるようなものはありませんし、転職希望者がブラックリストに入っているかどうかを簡単に調べることもできません。ほとんどの会社は、転職希望者のこれまでの実績や能力、人柄などを見て採用を判断します。
無職の人が就職活動する場合においても、過去の債務整理が採用に悪影響を及ぼすことはありません。現在債務整理の手続き中というケースにおいても、何かの制限を受けるようなこともありません。
就職活動や転職活動をするときには、履歴書を作成し提出しなくてはいけません。履歴書には「賞罰」を記載する欄があって、ここには表彰歴や受賞歴、刑事罰の有無などを書きます。
自己破産などの債務整理は刑事罰でなく、法律で認められた手続きなのでそもそも記入しなくても問題ありません。
債務整理が就職や転職に関係ないなら、その事実を正直に伝えた方がいいのでは?と考える方もいるかもしれませんが、自分からわざわざ言う必要はありません。採用に関係ないとしても、面接官に良くない印象を持たれる可能性はあります。
面接の際に借金の有無や債務整理について聞かれないかぎり、こちらから伝える必要はなく、後で債務整理したことが知られても、それを理由に解雇されることはないので安心してください。
ただし、自己破産で職業制限や資格制限を受けている期間中は、その業務に就けないので、免責許可決定を受けてから就職活動を再開したり、採用日を免責許可決定以降にしたりするなどして、就職・転職活動に支障がでないように注意しましょう。
債務整理を考えているなら、弁護士などの専門家に早めに相談することをおすすめします。債務整理に慣れている弁護士なら、就職や転職活動に関する相談にものってくれるなど、いろいろ頼りになると思います。
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