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自己破産をした場合のデメリットにはどのようなことがあるの?

質問 昔から人が良いと言われ続けてきた私は、結婚したときにも妻から絶対に人の保証人にはならないように言われていて、その約束はしっかり守ってきました。
しかし、結婚する前に友人から私以外に頼る人がいないと泣きつかれて、よく内容を把握しないまま書類に署名捺印したことがありました。その後友人は横浜市内で会社を立ち上げて、私にもお蔭様で商売は順調にいっていると報告もあり、それからは会う機会もなくすっかり保証人になっていたことも忘れていました。
しかし、先日その友人が経営する会社が倒産し、私のところに3,000万円もの支払いを求める書類が届き、そこに書かれていた連絡先に問い合わせてみると、すでに友人は自己破産を宣告したとのことで、どうすることにできない状態に追い込まれています。
妻からは保証人になっていたことを結婚したときに言わなかったことを責められ、離婚にまで発展するかもしれせん。
結婚後に住宅ローンを組んで家も建てたので貯金はほとんどなく、とても3,000万円ものお金を支払う能力はありません。今後分割して返済していくことも可能とのことですが、住宅ローンの返済だけで家計はギリギリの状態で、他の支払いをする余裕がありません。
そこで、もし会社をクビにならないのであれば自己破産をしようと考えているのですが、その道を選択した場合のデメリットにはどのようなことがあるかを、分かる範囲で全て教えてください。
yajirusi
A

持ち家は処分されることになります

自己破産をしても、基本的には今まで通りに仕事を続けることができます。自己破産をしてもそれが解雇事由にはあたりませんので、会社からそれが原因で退職を迫られて辞める必要はありません。
ただし、保険外交員や弁護士などの士業、古物商、建設業、風俗営業などに従事していた場合は、自己破産手続き中はそれらの職に就けない決まりとなっているため仕事を辞めなければいけないこともあります。しかし、免責許可決定が確定すれば再び職に就くことができます。
住宅ローンを組んで購入した家は、自己破産をすることで処分されることになります。基本的に自己破産をすれば財産を全て処分しなくてはいけません。それでも全ての財産を失うと生活ができなくなってしまうため、自由財産として99万円以下の現金と1点あたり20万円以下の財産は処分しなくては良いですが、所有している家については自己破産後に競売か任意売却されるため、買い手が見つかると家を失うことになり退去しなくてはいけません。
自己破産をすると信条情報機関に事故情報が登録されます。こうなると、どこからも新しい借り入れができなくなり、クレジットカードの利用もできなくなります。
自己破産すると約10年間は事故情報が残るため、再びローンを組んだりクレジットカードを利用きたりするのは約10年後となります。ただし、申し込みをしたからといって必ず審査に通るわけではありません。
場合によっては二度とクレジットカードなどを使用できなくなってしまうかもしれないので、そのこともよく考え自己破産を選択してください。
自己破産をすると携帯電話が使用できなくなるのでは?と心配されている方も多いようですが、携帯電話は使用できますが、端末を分割払いで購入することはできなくなります。なぜなら分割払いはローンを組んでいるのと同じ扱いだからです。
ご家族の名義で携帯電話を購入することは可能ですが、離婚をした場合に自分名義の携帯電話を持つ場合は、端末を一括払いで購入しなくてはいけなくなります。
自己破産をすると、生命保険の解約を余儀なくされる場合があります。積み立てタイプの保険に加入していると解約することによりお金が帰ってきます。これを解約返戻金と呼びますが、この金額が20万円を超える場合は原則解約する必要があります。掛け捨てタイプの保険は解約する必要はありません。
自己破産手続き中は勝手に引越しができなくなります。ただし、裁判所の許可があれば引越しできます。免責が認められれば自由に引越しできますが、自己破産したことにより新しい賃貸物件を借りる際の審査に落とされることもあります。
今回のことでよくお分かりだと思いますが、自己破産をすると保証人に多大な迷惑をかけることになります。他人の保証人になる方は多くはありませんが、身内の保証人になっている方はそれなりにいるので、大切な人のこともよく考えて判断しなくてはいけません。
自己破産をすれば無条件で借金が0になると思っている人も多いようですが、あくまでも免責許可決定がなされることで全ての借金はなくなります。破産法により免責不許可事由が定められていて、遊びや買い物などの浪費やギャンブルなどでつくった借金などは免責が認められないことになっているので、心当たりのある方は注意しなくてはいけません。
ただし、免責不許可事由に該当していても程度が軽いと許可されることがありますので、弁護士などに相談したうえで破産宣告をするかどうかを決めてください。
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